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さっきまで別の物を見ていたのに、次の画面へすっとつながって見える。そんな編集を考えるときの言葉が、マッチカットです。
形や構図、動きなどの共通点を使って、異なる映像をつなぐ手法。カットはここでは、つないで見せる一つ一つの映像を指します。単に「同じ物が次にも映る」という意味だけではないんだね。
まずは、説明用に作った二つの場面を並べてみよう。形と動き、どちらでつなぐかを比べます。
丸い皿から丸い時計へ。物が違っても、形は引き継げる
たとえば、画面の中央に丸い皿が大きく映っている。その次に、同じ位置へ丸い時計の文字盤が映るとしたら?
皿から時計へ、物は変わっています。でも、丸い形や画面内の位置が重なれば、そこを手がかりに二つを結び付けて見られます。
Adobeの解説では、こうした映像の類似を使うものをグラフィックマッチカットとして紹介しています。グラフィックは、ここでは画面の形や見た目に注目した言葉です。
「次は何が映った?」に加えて、前の画面の何が残ったように見えた? と考えると、切り替わる瞬間に見るところができます。
同じ形だけでなく、動きでつなぐこともあるよ
Adobeは、動きを一致させるアクションマッチカットも説明しています。
仮の例なら、ある場所で人物が右へ手を伸ばすところから、別の場所の人物が同じ向きへ腕を伸ばすところへ切り替える。場所も人も変わるのに、動きの方向やタイミングが橋渡しになります。
形が似ていないから、つながりはない。そう決めなくていいんです。切り替わる前後を見比べて、形なのか、動きなのか、何が共通しているかを探してみよう。
ただし、似たものを見つけたことと、監督の意図が一つに決まったことは別。感想なら「丸い形が続いて、二つの場面が結び付いて見えた」と、まず自分が見たものを書けば大丈夫です。
編集する人の判断まで知りたいなら
映像をどこで切り、どこへつなぐのか。その仕事への関心が広がったら、ウォルター・マーチ著、吉田俊太郎訳『映画の瞬き[新装版]』が候補です。
出版社の目次には、カットが機能する理由や、編集の判断を扱う項目があります。マッチカットだけの用語集としてではなく、編集者の考え方をたどる本として選べるよ。楽天では中古の掲載もあるので、状態欄も見てね。
書誌出典:フィルムアート社の紹介と目次
次に映画を見るときは、何度も止めなくても、一か所だけでいいんです。「あ、今つながった」と感じたら、直前の形や動きを思い出してみて。物語の内容とは別に、映像を渡す工夫にも言葉を付けられるね。