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家で映画を再生したら、画面の上下に黒い帯。別の作品を選ぶと、今度は左右に帯がある。
せっかく大きなテレビなのに、ここ、全部使えないの?
そう思った時は、拡大する前に、映像の形を見てみよう。映像とテレビの横縦比が違う場合、形を変えずに全体を収めるために、上下や左右へ帯が出ることがあります。帯があるだけで、映像が欠けているとか、再生機が故障したと決まるわけではありません。
そして、帯を消して画面を埋める方法は一つではないんです。形を保って拡大すれば、端が画面の外へ出る場合がある。横だけ伸ばせば、人や物の形が変わる。何を変えているのかを見てから選びたいね。
ここでは、比率の意味、黒帯の位置、拡大や変形の違いを、説明用の図形と数値で考えます。特定の映画を実際に再生して測った記録ではありません。操作名や対応する設定は機種・入力によって違うので、設定を触る時は手元のテレビや再生機の説明書も確認してください。
16:9は画面の大きさ?まず、横と縦の「形」を表す数字なんだ
アスペクト比は、画面や映像の横の長さと縦の長さの比率です。16:9なら横16に対して縦9。4:3なら横4に対して縦3です。
ここでの16は、必ず16cmという意味ではありません。同じ形のまま大きくしても、小さくしても、この比率は変わらないよ。
たとえば、幅32cm・高さ18cmの長方形も、幅64cm・高さ36cmの長方形も16:9。面積は違いますが、横と縦の関係は同じです。これは形を説明するための計算例で、販売されているテレビの外形寸法ではありません。
映画の説明で2.40:1のような書き方を見かけたら、縦を1にそろえて横を表した比率です。16÷9は約1.78なので、16:9も約1.78:1と書き表せます。4÷3は約1.33。書き方が違っても、同じ横縦の関係を見ています。
| 横縦比 | 縦を1とした時の横の長さ | 形を見る目印 |
|---|---|---|
| 4:3 | 約1.33 | 16:9より横幅が狭い |
| 16:9 | 約1.78 | 4:3より横に広い |
| 2.40:1 | 2.40 | 16:9よりさらに横に広い |
あっ、比率の数字って、画面の形を比べるために使えるんだね!
もう一つ、混ざりやすいのが解像度です。1920×1080と3840×2160は、どちらも横と縦を割ると16:9になります。画素数が違っても、形の比率は同じ。大きな数字なら必ずもっと横長、という読み方はしません。
反対に、映像の形がテレビより横長なら、テレビの画素数を増やすだけで、縦横の違いがなくなるわけではありません。「高画質のテレビなのに黒帯がある」と思った時には、画素数と形を別に見てみよう。
なお、映像信号の外枠の比率と、その中に入っている絵の比率が同じとは限りません。絵の周りに帯を含めた形で映像が届く場合もあるため、1920×1080という数値だけから、絵が隅まで使われていると決めないこと。次は、帯がどこへ出るかを見ます。
制作する側の画面の選び方まで知りたい人には、安藤紘平著『映像プロフェッショナル入門』が候補です。出版社の目次に、画面のアスペクト比とフレーミングの項目が掲載されています。
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横長なら上下、4:3なら左右。全体を収めた時の余る場所を考えよう
16:9の枠の中へ、もっと横長の映像を、形を変えずに全部入れるとします。幅を枠に合わせれば、映像の高さは枠より小さくなります。その差が、上下の余白になります。
反対に、4:3の映像を16:9の枠へ入れる場合。高さを合わせれば横幅が足りず、左右に余白ができます。どちらも、元の映像全体を見せるときの形の違いです。
ソニーの公式ヘルプガイドも、横縦比が16:9を超える映像には上下の黒帯が出ること、4:3映像をそのまま表示する例では左右にサイドバーが出ることを説明しています。
数字でも一度だけ見てみよう。説明用に、1920×1080の枠を用意し、絵を中央へ置く設定にします。
4:3の映像の高さを1080に合わせると、幅は1440。枠の幅1920との差は480なので、左右へ240ずつ余白ができます。2.40:1の映像の幅を1920に合わせると、高さは800。1080との差280が、上下へ140ずつ分かれます。
| 仮の映像 | 1920×1080の枠へ全体を収めた絵の大きさ | 中央に置いた時の余白 |
|---|---|---|
| 4:3 | 1440×1080 | 左右それぞれ240 |
| 2.40:1 | 1920×800 | 上下それぞれ140 |
これは、指定した比率から計算した例です。実際のディスクや配信映像を測った値ではありません。映像にあらかじめ含まれる帯や、テレビの表示設定などがあれば、実画面はこの計算どおりとは限りません。
でも、この例で確かめられることがあります。帯ができるのは、絵をまだ映していない場所が勝手に増えたから、と決まるわけではないんです。違う形の絵を、全部収めた結果として、枠の一部が余る場合があります。
つまり、上下の帯を見て「この中にも本当は俳優の頭があるはず」と考える必要はありません。収録された映像の範囲を確かめず、黒い部分に隠れた絵があると想像して拡大しないでね。
最初の4:3の例では、絵が使う幅は枠の1440÷1920で四分の三です。画面の面積にも四分の一の余白が残ります。でも、元の絵の四分の一を捨てたという意味ではありません。絵全体を、形を変えずに収めています。テレビのどれだけを使ったかと、作品の絵をどれだけ残せたかは、別の数なんです。
まずは、今の絵の端がどこかを見る。帯の位置だけでも、表示の仕方を考える手がかりになります。
拡大、切り取り、横伸ばし。黒帯が消えても、同じ映像の見え方とは限らないよ
では、上下の帯を消すため、形を保ったまま絵を大きくしたら?
さっきの2.40:1の計算例で、高さ800だった絵を1080まで拡大します。形を保つので幅も広がり、2592になります。枠の幅は1920のまま。すると、中央を表示する設定では左右の合計672、その半分の336ずつが枠の外へ出ます。
帯はなくなった。でも、絵の左右まで全部見えているわけではない。ここが、画面を埋める時に確かめたい違いです。
今度は、4:3の絵を、縦はそのままで横へだけ伸ばす場合を考えよう。枠は埋まっても、絵の中の形は横へ広がります。仮に丸い皿が映っていれば、表示の仕方によって横長に見えることになります。
| 見せ方の考え方 | 絵の形 | 端の見え方 |
|---|---|---|
| 全体を枠へ収める | 比率を保つ | 帯が残る場合がある |
| 比率を保って枠いっぱいまで拡大する | 比率を保つ | 一部が枠の外へ出る場合がある |
| 横方向だけへ引き伸ばす | 元の比率が変わる | 横長に見える |
この表は、表示の違いを理解するための整理です。テレビのメニューで、必ずこの三つの名前が並ぶという意味ではありません。実機では部分的な補正などを行うモードもあり、名前だけで結果を決めず、説明書の図と実際の表示を合わせます。
ソニーの左右の黒帯についての公式Q&Aでも、テレビ側の画面モードで調整する例を示し、ボタンや機能の名称はテレビによって異なるとしています。このページの古い機種の操作を、現在のすべてのテレビやスマートフォンへそのまま移すものではありません。
見比べるなら、端にある人物や文字、丸い物など、変化を追える部分を一つ決めよう。帯が消えたかだけで判定せず、左右の人が切れていないか、形が変わっていないかを見ます。これは操作した体験談ではなく、表示を選ぶ時の確認方法です。
映画では、左右にいる人物の距離や、部屋の端まで含めた配置も、映像として見ている部分です。画面を大きくしたい好みがある場合でも、何が外へ出たかを知ってから選べば、その選択を自分で確かめられます。
最初からリモコンの設定を次々に変えるより、今の表示を一つ残し、変更は一つずつ。元へ戻れるようにしてから比べるのがおすすめです。
絵の端や人物の配置に目を向けるため、フレーミングを扱う本を探す
映画の途中で枠が変わることもある。全部をテレビの自動調整と思わないでね
ある場面で、絵の横幅が変わった。すると、テレビが勝手に拡大したのかな、と気になるかもしれません。
可能性は、表示機器の設定だけではありません。映画の中で、画面比を変えている作品もあります。
一例として、米国撮影監督協会ASCのロバート・イェーマンへの取材記事は、『グランド・ブダペスト・ホテル』が1985年、1968年、1932年の出来事を描き、アスペクト比を変える作品であると紹介しています。本記事では作品を再生して場面ごとの寸法を測ったわけではないため、具体的な画面比の測定値は示しません。
ここから、枠が変わったら時代が変わった、とすべての映画へ広げる必要もありません。ただ、枠の変化自体が作品に含まれる場合がある、と知っておくと、最初の見方が変わります。
あれ、急に狭くなった! その瞬間、すぐ全画面へ直す前に、場面がどこへ移ったかも少し見てみよう。
一方、テレビ側で表示が変わる場合もあります。先に示したソニーのヘルプガイドでは、オートワイドが有効な場合に入力信号に合わせて設定が自動で切り換わることや、放送局が映像へ帯を入れている場合の扱いも説明されています。
そのため、変わった時の手がかりを分けると確認しやすいです。映画内の場面が切り替わったのか。テレビの入力を変えたのか。番組とCMが切り替わったのか。何も操作していないつもりでも、どの時点で変わったかを一つ残しておこう。
また、上下にも左右にも帯がある場合には、一つの映像の中に帯が含まれていたり、複数段階の表示条件が関わったりすることがあります。黒帯の本数だけで原因を断定せず、元の作品や再生機側の出力と、テレビ側の画面モードを分けて調べます。
たとえば、1920×1080の映像の内側に、1440×1080の絵と左右の帯が最初から入っている、という仮のデータを考えてみよう。外枠だけなら16:9でも、中の絵は4:3です。再生情報に16:9と表示されているから帯は存在しないはず、と決められない理由になります。ソニーの説明にある放送局が帯を挿入した例も、表示機器だけでなく、届く映像に目を向ける手がかりにできます。
作品ごとに枠の使い方が違うことと、テレビの設定が合っていないことは、どちらかを最初から決める話ではないんだね。まず何が変わったかを見つけ、その作品と機器の情報へ戻る順番です。
撮影のサイズや画面比を制作側から考える『映像プロフェッショナル入門』
今夜は一つの設定から。本で知りたいことと、機器の操作を分けて進めよう
映画を再生して黒帯が気になったら、全部の機器を設定し直す前に、次の順で一つずつ確かめてみてください。
- 帯が上下か左右か、絵のどの端が見えているかを確認する。
- テレビや再生機の型番を確認し、説明書で現在の画面モードと対応する入力条件を調べる。
- 表示を変える場合は今の設定を控え、一項目ずつ変えて、端の欠けと形の変化を比べる。
- 映画内の枠の変化らしい場合は、作品の公式な制作情報や収録仕様も確認し、機器側の変更を急がない。
設定を変えても帯が残る場合に、さらに別の設定を手当たり次第に切り換えなくて大丈夫。映像の中に帯が含まれる場合もあるので、まず、その入力に対して何を変更できる機器かを説明書で確認します。
画面の形を制作する視点から知りたい人へ案内したのは、フィルムアート社、安藤紘平著『映像プロフェッショナル入門 映画・テレビ現場のクリエーターのために』です。ISBNは9784845904570。公式目次には、画面のアスペクト比、フレーミングとサイズ・アングルなどが載っています。
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本の本文全体を読み、最新の映像機器との対応を検証した紹介ではありません。購入前に公開目次を見て、撮影や構図の基本を知りたい自分に合うかを選んでね。
今回参照したASCの取材記事は、映画の画面比が変化する例を知るためのものです。映像や画像の転載、鑑賞した体験の代用はしていません。
黒い所が残った、で判断を止めず、映っている絵を見てみよう。端の人も、部屋の隅も、そのまま収まっているかな。
大きくする前と後で、何が変わった? そこを一つ確かめたら、今夜は映画の中の配置まで、ちょっと気になってくるね。