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人は同じ場所にいるのに、画面が横を向いて、その隣にいた別の人が見えてくる。映画の感想で、この動きを何て書けばいいんだろう?
カメラを左右へ振るのがパン、上下へ振るのがティルトです。 まずは、その二つを分けてみよう。言葉が分かると、「カメラが動いた」の先を、もう少し具体的に話せます。
パンは左右へ向きを変える。歩いて横へ移るのとは別
カメラワークは、撮影するときのカメラの動かし方のこと。ソニーの解説では、パンは撮影者が動かず、カメラを左右に振って撮る技法と説明されています。パンニングという呼び方もあります。
説明用の仮の場面として、ベンチの左端に座る一人から、右端のもう一人へ向きを変える映像を考えてみてね。最初の画面には見えなかった人が、カメラの向きが変わることで現れます。
あ、隣にいたんだ! そんな気づきが起きるかもしれません。
このとき注目したいのは、動きの速さだけでなく、最初に何を見せて、何を後から見せたか。横に並んでいる人物の関係や、場所の広さを、見せる順番から追えます。
カメラの位置ごと横へ移動して撮る方法とは区別します。ただし、完成映像ではいくつもの動きが組み合わされることもあります。実際の撮影機材まで、見た印象だけで断定する必要はありません。
ティルトは上下へ。足元から顔へ、屋根から空へ
同じ公式解説では、下から上へ振る動きをティルトアップ、上から下へ振る動きをティルトダウンとしています。「縦パン」と呼ぶこともある、と紹介されています。
仮に、建物の入口から上へ向きを変え、屋根までを見せる場面なら、上下方向の動きです。左右のパンとは、たどる方向が違うんですね。
| 用語 | カメラの向きを変える方向 |
|---|---|
| パン | 左・右 |
| ティルトアップ | 下から上 |
| ティルトダウン | 上から下 |
ただ、「上へ動いたから希望の場面」と一言で決めなくても大丈夫。何が映り、前後で何が起き、音がどう付いていたかで、自分の受け取り方を確かめてみてください。
感想にするなら、動く前と後を一つずつ
言葉を覚えたら、もう専門用語だけで説明できる? いえいえ、そこで終えるのは、ちょっともったいない。
「パンしていた」に加えて、「最初は誰だけが見えていたか」「最後に何が見えたか」を一つずつ書いてみよう。そのあとに、自分がどう感じたかを足すと、技法の名前と実際の感想がつながります。
撮る側の基礎も知りたくなったら、小島真也さんの『世界一わかりやすい動画制作の教科書』という本があります。技術評論社の公開目次には、カメラワークの基本と、フィックスショット・パン・そしてレンズで写す範囲を変えるズームを扱う節が載っています。フィックスショットは、カメラを固定して動かさずに撮る映像です。
企業や店舗の紹介など、動画を作る人に向けた入門書です。特定の映画のパンを解説した評論集としての紹介ではありません。ここでは公開目次と書誌を確認しており、紙の本文や関連動画は実読・視聴していません。
次に画面が横や上へ向いたら、最後だけでなく、動き出す前にも目を向けてみて。「何が見えるようになった?」から、一行の感想を始められますよ。